富山県高岡市におけるふるさと納税業務委託の公募型プロポーザルです。現在は、レッドホースコーポレーション株式会社が業務を受託しています。
本件は「実績重視」の内容となっていますが、近年のふるさと納税業務の実態においては、単なる実績の多寡、内容が自治体からの評価に直結しない傾向が見受けられます。むしろ、過去に多数の契約や実績を積み重ねてきた中間事業者が、自治体からの評価を下げているケースも見られます。
このような状況を踏まえると、実績の提示だけでなく、提案書内で仕様書に基づく定量的な目標を明確に設定することが極めて重要です。具体的には、以下のような数値目標の提示が求められます:
返礼品のサイト掲載までの所要日数
サムネイル制作のレベルおよび制作点数
受発注の頻度とかかる日数
返礼品事業者へ支払いサイト
自治体が連絡してからの回答日数
新規返礼品の開発予定数
返礼品提供事業者への営業件数等(この内容は要領に記載されていました。)
これらの項目について、事業者自らが定量的な目標を掲げ、それを遂行する体制や手法を明示することで、より評価につながる提案となるでしょう。
さらに、今回の仕様書には著作権に関する記載がない点も懸念されます。弊社サイトでも紹介しておりますが、近年、複数の自治体でふるさと納税業務における著作権をめぐるトラブルが発生しています。詳細は下記URLをご参照ください:
以上を踏まえると、今回の公募内容は、仕様上の不備やリスクを内包している可能性があり、十分な注意と精査が必要です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(公募ページ)
https://www.city.takaoka.toyama.jp/gyosei/sangyo_business/nyusatsu_keiyaku/1/12426.html
(実施要領PDF)
高岡市ふるさと納税業務一括委託公募型プロポーザル実施要領
(仕様書PDF)
高岡市ふるさと納税業務一括委託プロポーザル 仕様書
(選定基準PDF)
選定基準表
高岡市ふるさと納税業務一括委託プロポーザル 仕様書
1 業務委託名
高岡市ふるさと納税業務一括委託(以下「本業務」という。)
2 業務目的
本業務は、民間事業者(以下「受注者」という。)にふるさと納税業務(寄附の受付、寄
附情報の管理、返礼品の発注、配送管理、返礼品提供事業者及び返礼品の募集開発等)を
委託し、寄附者から選ばれる返礼品の開発や地場産品のPRの強化を図り、高岡市(以下
「発注者」という。)の魅力発信と寄附額の大幅な増加につなげることを目的とする。
3 業務委託期間
令和7年10 月1日(予定)から令和9年3月 31日までとする。ただし、発注者は、こ
の契約締結の日の属する年度の翌年度以降において、歳入歳出予算の減額又は削除があっ
た場合には、この契約を解除できるものとする。
なお、契約締結日から令和7年9月 30 日までの間は業務開始に向けた準備期間とし、
準備期間にかかる経費は受注者の負担とする。
4 前提条件
⑴寄附者情報管理システムを構築し、本業務で運用保守するとともに、 ふるさと納税ポー
タルサイト(以下「ポータルサイト」という。)での寄附受付情報等と連携させた業務
の履行が可能であること。
⑵委託期間当初のポータルサイトは、以下のとおりとする。なお、発注者と受注者が協議
の上、新たなポータルサイトの利用を開始した場合は、本業務の対象に含むものとする。
①ふるさとチョイス
②ふるなび
③楽天ふるさと納税
④ANAのふるさと納税
⑤JREMALLふるさと納税
⑥セゾンふるさと納税(※)
⑦au PAYふるさと納税(※)
⑧ふるラボ(※)
⑨V ふるさと納税(※)
⑩Amazon
⑪KABU&ふるさと納税(※)
※…ふるさとチョイスパートナーサイト連携による利用
1
⑶本業務の対象は、「3 業務委託期間」における寄附とし、同期間中に受けた寄附申し出
に対する返礼品の調達、発送、その他寄附者への対応は同期間後も責任をもって行うこ
と。
⑷業務委託期間後の寄附分の受付に係る本業務を受注する事業者に対し、本業務の履行
に必要な情報等を誠実に引き継ぐこと。その発生する費用については、両者の協議によ
り応分の負担をすること。また、引き継ぎに要する費用は本委託料に含むこととし、発
注者は委託料以外の費用は一切負担しないものとする。
⑸受注者は、業務委託期間の開始前に返礼品提供事業者向けの説明会を1回以上実施す
ること。
⑹受注者は、プライバシーマークや情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)
等、第三者機関の評価によるセキュリティ基準の認定を受けていること。
⑺受注者は、発注者又は返礼品提供事業者から申出があった場合は、 速やかに現地を訪問
することが可能な体制を整えること。
⑻受注者は、本業務に関する資料を書面又は電磁的記録により、業務委託期間終了後1年
間保存すること。
⑼発注者が契約するポータルサイト利用料、クレジットカード等決済手数料は本業務の
範囲外とする。
⑽市関係課と調整の上、マスコットキャラクター等を活用したシティプロモーションや
ふるさと納税プロモーション活動の履行が可能であること。
5 業務内容
業務内容は、以下のとおりとする。
⑴マーケティングによる返礼品の開発・企画・提案及びPR対策業務
⑵ポータルサイト管理運営
⑶寄附管理システムの管理運営
⑷返礼品の調達及び配送管理業務
⑸寄附金受領証明書・ワンストップ特例申請書類等の作成・送付に関する業務
⑹コールセンター業務
⑺市の魅力発信及び地場産品の販路拡大による地域活性化に関する業務
⑻寄附金の募集に要する経費の管理
⑼その他
6 業務内容の詳細
⑴マーケティングによる返礼品の開発・企画・提案及びPR対策業務
①本市の状況を分析するとともに、今後の見込や課題について整理・把握し、工夫や
改善に努めること。分析状況等については定期的に発注者に報告すること。
2
②ニーズを探るための市場調査・分析に基づく返礼品の開発・企画・提案及びPR対策
を積極的に行うこと。
③総務省通知をはじめ、地方税法及び食品表示法等の関係法令、通知等に適合した返礼
品及び返礼品提供事業者を募集するとともに、返礼品提供事業者と交渉し、商品選定
や開発を行うこと。
④返礼品等については、市内の地場産品はもとより、幅広く魅力をアピールできる品物
を増やすとともに、市への来訪を促すため、宿泊・体験メニュー等を検討すること。
⑤返礼品提供事業者と調達価格、在庫数、受付期間等の必要な調整を行うこと。
⑥ポータルサイトの掲載に当たっては、アレルギー表示及び食品表示法等の関連法令
に留意すること
⑦ポータルサイトへ掲載する情報は、発注者に最終確認の上、掲載すること。
⑧返礼品の新規開発を行う場合は、「指定対象期間の開始後に新たに提供を開始しよう
とする返礼品等の内容(総務省告示第179号第5条関係)」を作成すること。
⑨返礼品の掲載状況を一覧表(Excel形式)により管理し、発注者と共有すること。
⑵ポータルサイト管理運営
①ポータルサイトの自治体紹介ページの作成、掲載情報の更新、修正、充実等の管理運
営を適切に行うこと。その際に、SEO(検索エンジン最適化)対策を講じること。
②寄附の受付及び配送に関する通知を行うこと。
③返礼品の掲載に際しては、必要な写真撮影、写真加工(文字入れ等)、返礼品の紹介
文の作成等について、返礼品提供事業者と協力し、寄附者に対し効果的にPRできる
よう内容を充実させること。
④本業務により生じた返礼品ページ、画像、レビューその他必要な情報の著作権は、発
注者に帰属する。
⑤委託期間中にポータルサイトの増減の可能性があることに留意すること。
⑶寄附管理システムの管理運営
①使用するシステム名及び機能について、提案書に明記すること。ポータルサイトを経
由して受け付けた寄附について、寄附者、寄附金及び返礼品等に関するデータを寄附
管理システムにより一元的に管理し、発注者が随時、データを確認できることとする。
なお、発注者が現在利用しているLedgHOMEから他システムへの切替えや他シ
ステムとの併用などについては制限しない。ただし、システムを切り替えた場合は、
LedgHOMEの過年度の寄附情報を全て取り込むことを条件とする。
②複数のポータルサイトから申込みのあった寄附金(発注者へ直接申込があった場合
も含む。)について、一元的に管理できるシステムであること。
③寄附申込状況、寄附金の納付状況・配送状況など寄附申込に係る進捗状況等について、
随時、発注者への情報提供が可能であること。また、発注者において統計資料作成等
を行うため、簡易に加工できるようCSV形式等でのデータ出力が可能であること。
3
④必要に応じて、発注者や返礼品提供事業者向けにシステム操作マニュアルの作成等
を行い、専門スタッフの派遣等、運用に支障を来さないサポート体制を構築すること。
⑷返礼品の調達及び配送管理業務
①返礼品提供事業者への返礼品の発注は、寄附金の納付が確認でき次第、迅速に行うこ
と。この業務に必要な返礼品提供事業者との契約等については、適切に対応すること。
②返礼品提供事業者への発注方法は、紙媒体や電子媒体等、返礼品提供事業者の負担が
生じないよう留意すること。
③返礼品の在庫管理は返礼品提供事業者と連携し、寄附機会の損失を防ぐよう努める
こと。
④返礼品の配送状況の管理を行うとともに、配送遅延又は返礼品の損壊等、配送に係る
トラブルが生じた場合は、寄附者への対応を速やかに行うこと。
⑤提供数が限定された返礼品について、発送時期や商品掲載について管理を行い、提供
数を超える申込を受け入れることのないよう留意すること。
⑥寄附者、返礼品提供事業者及び発注者との各種調整を行うこと。
⑦返礼品の配送状況について発注者が確認できるようにすること。
⑧返礼品の配送・出荷実績等に基づき、返礼品及び配送に係る費用を返礼品提供事業者
へ支払うこと。
⑨事業者へ支払った返礼品代金及び配送料については、返礼品代金と配送料とを分
け、支払いの詳細が分かる資料を添えて本市に請求すること。
⑸寄附金受領証明書・ワンストップ特例申請書類等の作成・送付に関する業務
①寄附金の収納を確認できたものについて、寄附金受領証明書を作成し、封筒に封入・
封緘し、原則2週間以内に寄附者に対して発送すること。
②ワンストップ特例申請書を送付すること。ワンストップ特例申請の受付、入力及び管
理については、発注者で行うこととし、申請書の返信分の郵送料は委託料には含まな
い。
③発送する書類は、原則として以下のとおりとするが、送付物の内容については発注者
と協議の上、決定する。
ア お礼状
イ 寄附金受領証明書
ウ ワンストップ特例申請関係書類
※ ワンストップ特例申請書には、寄附者情報を入力の上、送付すること。
エ 返信用封筒
⑹コールセンター業務
①寄附の方法、返礼品、ワンストップ特例制度、寄附のキャンセル等に関する問い合わ
せに対応するため、コールセンターを設置し、使用するポータルサイト等において電
話番号及びメールアドレスを明示するものとする。
4
②受注者は、コールセンターへ寄せられた問い合わせ内容について、「寄附管理システ
ム」に記録するなどして、発注者と情報共有すること。
③返礼品に関する苦情については、速やかに状況の確認を行い、必要と認められる場合
は、返礼品提供事業者や配送事業者等に対して対策を求めるなど、苦情の解消に向け
た調整を行うとともに、適宜、発注者へ報告すること。
⑺市の魅力発信及び地場産品の販路拡大による地域活性化に関する業務
受注者は、市の認知度向上、地域の魅力発信、地場産品の販路拡大による地域活性化
に加え、地元商品などを多くの方に知ってもらうための取組等について発注者へ提案
するとともに、SNS、メディア等を積極的に活用すること。また、上記目的にかかる
各種イベント等の出店や宣伝等について発注者から相談があった場合には協力して取
り組むこと。
⑻寄附金の募集に要する経費の管理
総務省告示第179号(平成31 年4月1日)の募集の適正な実施に係る基準に基づ
き委託業務が実施できるよう、本業務の対象外の経費(ポータルサイト利用料、クレジ
ットカード等決済手数料等)も含めた管理を行いながら新たな事業提案を実施するこ
と。
⑼その他
①総務省・富山県等関係機関に対して提出する書類がある場合、関係機関からの照会に
回答する必要がある場合には、市の指示に従い、書類の作成等を行うこと。
②その他、ふるさと納税に関するサービスで活用できるものがあれば提案すること。
特に、業務効率化・業務軽減・経費削減につながる方策があれば提案すること。
③原則年1回以上、返礼品提供事業者向けの勉強会等を開催すること。
7 業務報告
受注者は、業務の進捗に応じて月1回以上本市を訪れ、発注者に対し書面により報告を
行うこととし、報告内容は、協議により定めるものとする。
8 業務上の注意事項
⑴本仕様書に疑義が生じた場合又は定めのない事項については、発注者と受注者が協議
して決定する。
⑵受注者は、本業務の一部又は全部の実施を第三者に委託し、又は請け負わせてはなら
ない。ただし、業務を効率的に行う上で必要と認めるときは、発注者の承認を得た上で
その一部を委託することができる。
⑶受注者は、寄附者情報等に関する資料を書面又は電磁的記録により一定期間保存する
こと。
⑷本業務の履行にあたり個人情報を含む情報の取扱いについて情報セキュリティの重要
5
性を認識し、情報の漏えい、紛失、盗難、改ざん、その他事故等から保護するため適切
な管理を行うこと。
⑸発注者は、寄附者に対し、返礼品の調達・発送等に係る契約不適合責任を負わない。
⑹受注者は、寄附者に対し、返礼品の調達・発送等に係る契約不適合責任を負う。
⑺本業務の実施に当たって発生した損害(第三者に与えた損害を含む。)について賠償の
責任を負うこと。ただし、その損害のうち返礼品提供事業者、寄附者又は第三者の責め
に帰する事由により生じたものについてはこの限りではない。