レポート

2022.09.09

『分析レポート』令和3年度ふるさと納税寄付額を 「⾃治体⾯積あたり獲得寄付額」にて分析しました。

〜令和4年度ふるさと納税に関する現況調査の結果(総務省発表)を独⾃に分析〜
⾃治体⾯積あたりの令和3年度ふるさと納税獲得寄付額を計算しました。1位が佐賀県上峰町、2位が福岡県新宮町、3位が⼤阪府泉佐野市となりました。⼈⼝⼀⼈当たりの獲得寄付額では北海道が上位を独占していましたが、今回の分析では上位30⾃治体のうち、北海道の⾃治体はランクインがありませんでした。⽇本⼀⼩さな町の⼤阪府忠岡町は⾯積わずか3.97平⽅kmですが、25位と健闘しています。⼀般的に、地産の農林⽔産品を返礼品として提供するのであれば、⽣産量は⾯積に⽐例する傾向があるため、⾯積の広い⾃治体ほど寄付獲得に有利であると考えられます。先⽇のレポートでは⼈⼝規模が⼩さくとも寄付を集めている⽐例しない事例をお伝えしました。今回のレポートでも⾯積と寄付額が単純に⽐例しないふるさと納税制度の特徴が良く現れた結果となりました。

分析の背景

総務省のふるさと納税ホームページには、3つの⼤きな意義があると記載されています。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/policy/

第⼀に、納税者が寄附先を選択する制度であり、選択するからこそ、その使われ⽅を考えるきっかけとなる制度であること。それは、税に対する意識が⾼まり、納税の⼤切さを⾃分ごととしてとらえる貴重な機会になります。

第⼆に、⽣まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも⼒になれる制度であること。それは、⼈を育て、⾃然を守る、地⽅の環境を育む⽀援になります。

第三に、⾃治体が国⺠に取組をアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、⾃治体間の競争が進むこと。それは、選んでもらうに相応しい、地域のあり⽅をあらためて考えるきっかけへとつながります。

今回は⾃治体⾯積当たりの獲得寄付額を分析することで、⾃治体の⾯積規模の⼤⼩に関わらず、効率的に寄付を受け付けている⾃治体と、その取組を探ります。

『令和3年度ふるさと納税寄付額を「⾃治体⾯積あたり獲得寄付額」にて分析』の主な結果

■1位から10位
1位の佐賀県上峰町は、2015年度から既に20億円以上を集めている上位⾃治体です。サムネイル画像のシズル感の⾼さでは⽇本でも有数と思われます。この⾃治体は⾯積が12.8キロ平⽅kmと⼩さいため、町内で⽣産できる産品だけでこれだけの寄付を集めるのは困難です。返礼品を加⼯する会社の協⼒が⽋かせません。2位の福岡県新宮町も、ホームページ上での返礼品の⾒せ⽅や説明に⼤変こだわっています。こちらも⼩さな町だけに、加⼯⾷品がメインです。ハンバーグ、餃⼦、えび、ミックスナッツ、サーモン、塩サバとバラエティに富んだ品揃えを推進しています。

自治体ごと面積あたり寄附額1

■11位から20位
12位の愛知県碧南市はポータルサイトの利⽤数が11と⾮常に熱⼼に運営をしています。⼝コミ対策としてレビューキャンペーンも実施しています。⼈気の返礼品は意外にもミックスナッツであり、上位を占めています。15位の⼤阪府⾨真市は都市近郊の⾃治体であり、有名メーカーの家電製品が⼈気です。また、ユニークなところでは株式会社海洋堂という国内フィギュア制作の⼤⼿企業の本社があり、返礼品としてウルトラマンやエヴァンゲリオンのグッズが取り揃えられています。

自治体ごと面積あたり寄附額2

■21位から30位
25位の⼤阪府忠岡町は⽇本⼀⼩さなまちとして有名で、⽇本⼀元気なまちを⽬指して頑張っています。歴史的に⽑織関連の企業が集積しており、ベビー⽤の布団やタオルスリーパーが⼈気です。返礼品数も600を超えています。

自治体ごと面積あたり寄附額3

今回の分析を通じて

⾃治体⾯積あたりの獲得寄付額を基準に分析をすると、⾯積が⼩さな⾃治体が上位を占めています。⽇本で最も⾯積が⼤きい⾃治体は岐⾩県⾼⼭市の2,177平⽅kmですので、最も⼩さなまちである⼤阪府忠岡町はその約550分の1になります。製造や⽣産には⽐較的⼤きな場所が必要ですので加⼯製品が⽬⽴っていますが、エアウィーブなどの寝具、タイガー、象印、アイリスオーヤマ等の家電製品が返礼品とする⾃治体も上位に⼊っていました。とはいうものの、消費財メーカーを抱えていなければいけないというわけではありあせん。⾯積は狭いながらも地域産品の活⽤を⼯夫し、寄付者の好感度や満⾜度を⾼めようという取り組みも⽬⽴ちました。地域産品があまりない⾃治体において、加⼯を切り⼝に様々な返礼品を開発し、寄付を集めている姿が浮き彫りになったレポートでした。

社名:株式会社ふるさと納税総合研究所
本社所在地:⼤阪府⼤阪市
代表取締役:⻄⽥ 匡志(中⼩企業診断⼠、総合旅⾏業務取扱管理者)
事業内容: ふるさと納税市場における調査、研究、コンサルティング、ソリューション提供等
HP:https://fstx-ri.co.jp/


株式会社ふるさと納税総合研究所のプレスリリース⼀覧
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/104918


【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
株式会社ふるさと納税総合研究所
専⽤電話番号 080-8131-1908
メールアドレス nishida@fstx-ri.co.jp

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