レポート

2022.08.10

『分析レポート』令和3年度ふるさと納税寄付額を 「市」「区」「都道府県」別に分析しました。

〜令和4年度ふるさと納税に関する現況調査の結果(総務省発表)を独⾃に分析〜
令和3年度寄付額を⾃治体区分で分析の第三弾になります。この1、2年は東京都の特別区や都道府県もふるさと納税に⼒が⼊っています。それぞれの1位は「市」が北海道紋別市、「区」が東京都墨⽥区、「都道府県」が⼭形県となりました。また、成⻑率も分析しましたが、「区」が対前年では126.9%と最も⾼い伸びを⽰しました。「都道府県」は対前年82.2%となりましたが件数は伸びていました。

分析の背景

ふるさと納税の主役は制度が作られた理由からも、「村」「町」「市」になるのは当然と考えます。しかし、制度は⾃治体に平等に与えられていますので、この1、2年は「区」「都道府県」も段階的に取組みを強化してます。これまであまり注⽬もされていなかったため、この機会に「区」「都道府県」も分析することに致しました。

『令和3年度ふるさと納税寄付額を「市」「区」「都道府県」別に分析』の主な結果

■1位から30位(市の部)
市の部は全体の順位とあまり変わらず、また総務省や各メディアもこれまでに取り上げていますので、2位の宮崎県都城市に着⽬します。平成27年度、平成28年度、令和2年度と3回も⽇本⼀になっており、その他の年度も⼀桁の順位と、ふるさと納税を代表する⾃治体の⼀つです。⾃治体ブランド向上と市内事業者⽀援を戦略として掲げ、ふるさと納税制度を戦略実現のために活⽤しています。⾃治体の認知とブランド向上のため、当初はかなり思い切った還元率を設定し、法律で規制される前から返礼品を市内⽣産品に限定していました。市内事業者を⽀援する姿勢により、彼らとの信頼関係やコミュニケーションが⾮常に強いという特徴が都城市にはあリます。このように、都城市のふるさと納税に対する姿勢は評価できる点が多くあります。

自治体ごと寄附受入額(市の部)1

自治体ごと寄附受入額(市の部)2

自治体ごと寄附受入額(市の部)3

■1位から23位(区の部)
1位の墨⽥区は都内にありながらも伝統⼯芸品などの地域産品が豊かであり、区としては早めにふるさと納税の取組みを強化した⾃治体です。寄付の使い道は⾮常に具体的になっており、ふるさと納税のあるべき姿とも⾔えます。2位の渋⾕区も都会ならではのレストラン、宿泊、体験サービスなどバラエティ豊かな返礼品を⽤意しています。

自治体ごと寄附受入額(区の部)1

自治体ごと寄附受入額(区の部)2

■1位から47位(都道府県の部)
市町村と地域産品にて競合することもあり、都道府県が取組みを強化することは難しい問題もあります。⼭形県の市町村はふるさと納税の取組みは他県よりも早く、平均寄付額も毎年上位になっています。⼭形県⾃⾝も魅⼒的な果物を中⼼とした返礼品を幅広く取り揃えることができており、その数は2,000種類を超えています。

自治体ごと寄附受入額(県の部)1

自治体ごと寄附受入額(県の部)2

自治体ごと寄附受入額(県の部)3

■⾏政区分毎ふるさと納税寄付額
「町」「村」の成⻑率を「区」「市」が上回っています。また、都道府県は前年を下回っていますが、寄付件数は増加しています。

【行政区分ごと平均】行政区分ごとふるさと納税受入額(単位:千円)

今回の分析を通じて

上位の⾃治体が固まってきていることと、「町」「村」の伸び率が全体より若⼲低いことが気になりました。上位の⾃治体はプロモーションで豊富に予算が確保できるため、更に上位を⽬指す動きができます。しかし、それ以外の⾃治体ではプロモーション予算等も確保しにくく、返礼品提供事業者や中間事業者も協⼒度合いが低くなり、上位に追いつくことは⼤変難しくなっています。ふるさと納税制度の重要課題の⼀つと捉えています。

社名:株式会社ふるさと納税総合研究所
本社所在地:⼤阪府⼤阪市
代表取締役:⻄⽥ 匡志(中⼩企業診断⼠、総合旅⾏業務取扱管理者)
事業内容: ふるさと納税市場における調査、研究、コンサルティング、ソリューション提供等
HP:https://fstx-ri.co.jp/


株式会社ふるさと納税総合研究所のプレスリリース⼀覧
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/104918

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