記事紹介

2025.12.05

(東京都主税局)「『ふるさと納税』制度の廃止を含めた抜本的な見直しに関する共同要請」2025年12月4日

【URL】
https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/information/press/r7/12/20251204
    (参考)https://sp.m.jiji.com/article/show/3665737

【要約】

東京都・特別区長会・東京都市長会・東京都町村会の四者は、ふるさと納税制度の「廃止を含む抜本的な見直し」を総務省へ共同で要請した。
共同要請では、現行制度により居住自治体の税収流出が続き、行政サービス提供に支障が生じている点を問題視。返礼品競争の激化、制度趣旨との乖離、住民税としての公平性欠如など構造的な課題を指摘している。
また、もし制度を継続する場合でも、返礼品提供の段階的縮小、特例控除の見直し、ワンストップ特例制度の廃止など、抜本的な再設計が必要であるとの考えを示した。
東京都は2023年にも同様の要請を行っており、今回の要請はその姿勢を一層強めた内容となっている。
(参考状況)
同日、政府・与党側では「東京都に税収が偏在し行政サービス格差が拡大している」として、地方法人課税や固定資産税の再配分を検討に着手したとの報道があり、東京都と国の財源をめぐる議論が並行して進んでいる。

【コメント】
今回の共同要請は、東京都が現行制度の課題を強く訴える内容であり、制度全体の見直し議論が一段と深まる契機となる。一方で、ふるさと納税はこれまで多くの自治体で地域振興や産業支援の重要な財源として機能してきた歴史があり、制度の価値自体は大きい。制度を廃止へ向かわせるよりも、現行制度を維持しながら健全に発展させていく方向性が、全国的に最も利益の大きいアプローチである。
近年の制度を巡る課題の多くは、制度設計そのものよりも ルール運用の不徹底 に起因しており、
・返礼品基準違反の抑止
・再委託を含む事業者管理の厳格化
・総務省・自治体によるチェック体制の強化
・違反事例の全国共有
・募集費用(最大5割)の透明化
といった 運用面の強化と罰則の明確化 によって改善できる部分が大きい。
制度を健全に発展させるためには、返礼品の品質・表示の適正化、地場産業の成長につながる企画力向上、寄付者との長期的関係構築など、信頼性と地域価値を高める取組も重要である。
政府・与党では東京への税収偏在是正も議論されているが、ふるさと納税制度は「地方創生の実効的な仕組み」として一定の成果を上げてきた。
制度の価値を損なう方向ではなく、透明性と厳格なルール運用を徹底することで、より公正で持続可能な制度として成熟させることが望まれる。

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