レポート

2022.08.09

『分析レポート』令和3年度ふるさと納税寄付額を 「町」別に分析しました。

〜令和4年度ふるさと納税に関する現況調査の結果(総務省発表)を独⾃に分析〜
「市」と「町」の区分はあまり知られていませんが、8,000⼈以上の⼈⼝規模があれば「町」であり、⼈⼝5万⼈以上であれば「市」になります。厳密に⾔えば条例等でもう少し基準があります。今回は「町」のふるさと納税寄付額を分析しました。1位が北海道⽩糠町、2位が宮崎県都農町、3位が北海道弟⼦屈町となりました。2位の都農町は法律の違反により、ふるさと納税の対象となる地⽅⾃治体の指名の取り消しを受けています。⽩糠町と都農町は100億円を超える寄附を集めました。

分析の背景

「市」より⼈⼝規模は⼩さい「町」ではありますが、その分、ふるさと納税については迅速に柔軟に活動ができるイメージを持っています。町⻑のトップダウンで素早く組織が動いています。今回はそのような「町」のふるさと納税寄付額を分析することで、「町」ならではの成功モデルや成功の要因を探って⾏きます。

「令和3年度ふるさと納税寄付額を「町」別に分析」の主な結果

■1位から10位
1位の⽩糠町、2位の都農町ともに、⾃治体職員のリーダーシップが⽬⽴っていました。返礼品提供事業者にいかにやる気になってもらえるか、この巻き込み⼒がとても⼤切です。中間事業者は返礼品提供事業者を開発をする業務を担っていますが、⾃治体職員の当事者意識がなければ、外部委託してもなかなか良い結果が出ることはありません。3位の弟⼦屈町は返礼品提供事業者が中間事業者の⼀部業務まで受託し、海に⾯していない⾃治体にも関わらず、魅⼒的な加⼯海産物でカバーをしています。4位の境町も町⻑⾃らがふるさと納税のマーケティングに精通しており、あらゆるジャンルの返礼品が揃っています。特設サイトにて活⽤事業の報告も細かく⾏なっています。

自治体ごと寄附受入額(町の部)1

■11位から20位
上位の⾃治体には、これといった返礼品があります。13位の当別町ではロイズ製品、15位の御船町ではお⽶、18位の⼤河原町ではアイリスオーヤマ製品です。ポータルサイトでのカテゴリーランキングに⼊ることができれば、想定よりも多くの寄附を集めることができます。⾃治体では選択と集中という戦略の基本的な考えをとることが難しいとは⼗分理解できますが、それでも選択と集中を追求すれば、結果として⾃治体の知名度や⽴ち位置を⾼めることができます。

自治体ごと寄附受入額(町の部)2

■21位から30位
21位の⽞海町と26位の上⼠幌町はふるさと納税への取り組みが早かった⾃治体です。2014年にはすでに10億円前後の寄付を集めており、それからも安定的に寄付を集めています。地域産品のブランドを守ることを⼤切にし、無理をしていない姿勢が⾒受けられます。返礼品やサービスの品質を維持することで、⾃治体や返礼品提供事業者に対する寄付者からの信頼が醸成され、結果として⻑期的、安定的な関係性が持続している好例です。

自治体ごと寄附受入額(町の部)3

今回の分析を通じて

各⾃治体のふるさと納税に関する取り組みの特徴が良くわかる結果となりました。「市」でも「村」でもない「町」の規模があれば、戦略的にリスクを取って勝負できると感じました。それだけ、財政状況が厳しいと⾔えるかもしれません。
都農町のふるさと納税からの指名除外は残念ですが、⽬の前の寄付額だけにとらわれず、寄付者との良い関係を構築することを最も⼤切とすれば、寄付の量ではなく質に移⾏していく必要があります。寄付者、返礼品提供事業者、⾃治体の持続的な関係を模索する時期に来ています。

社名:株式会社ふるさと納税総合研究所
本社所在地:⼤阪府⼤阪市
代表取締役:⻄⽥ 匡志(中⼩企業診断⼠、総合旅⾏業務取扱管理者)
事業内容: ふるさと納税市場における調査、研究、コンサルティング、ソリューション提供等
HP:https://fstx-ri.co.jp/


株式会社ふるさと納税総合研究所のプレスリリース⼀覧
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/104918

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