〜令和4年度ふるさと納税に関する現況調査の結果(総務省発表)を独⾃に分析〜
ふるさと納税市場の調査、分析やコンサルティングを提供する株式会社ふるさと納税総合研究所(本社:⼤阪府⼤阪市、代表取締役社⻑:⻄⽥ 匡志)は、令和4年度ふるさと納税に関する現況調査の結果を分析しました。
全⾃治体の令和3年度寄付額は8,302億円と対前年度1.23倍の伸び率となっています。前年度5倍以上の⾼い伸びとなった⾃治体数は全⾃治体1,788の内46となりました。また、全⾃治体平均の伸び率1.23倍を上回った⾃治体数は806となりました。
分析の背景
ふるさと納税の寄付額は⾃治体の取組度合い、地域産品の数や魅⼒度、⾃治体への応援度や⾃治体認知度、ポータルサイト内のサムネイル画像や紹介⽂の質、プロモーションの内容、寄付の使い道への共感度等、さらにそれらを⽀えるポータルサイト会社、中間事業者やシステム会社等によって、⼤きく異なってきます。
そこで対前年度で⾼い伸び率であった⾃治体を分析することで、その要因や要因に⾄った背景等を探ることにしました。
「令和3年度ふるさと納税寄付額の⾃治体別対前年度伸び率を分析」の主な結果
■1位から10位
圧倒的な伸び率であった滋賀県野洲市の返礼品SK IIの登場は、令和3年度のふるさと納税ニュースでも⼤きな反響がありました。あの世界的にも有名なP&GのSK IIが実は滋賀県で製造されていたと知ったのも驚きでした。
世界最⼤の⽇⽤消費財メーカーであるP&Gが最⾼峰ブランドでもあるSKⅡを返礼品として認めたところが、⾃治体や関係企業の熱⼼な働きかけの賜物と感じます。
2位⼤阪府太⼦町、5位京都府向⽇市、6位宮城県⼤河原町はいずれもフジ医療器、オムロン、アイリスオーヤマという消費者向け耐久消費財の有名ブランドの参⼊が功を奏したと思われます。9位の北海道別海町は、上位⾃治体である根室市に隣接しており、元々⿂介類は豊富な町です。返礼品数が2,000超と⼤幅に増加し、さらに返礼品の画像もきれいに加⼯されています。
■11位から20位
新型コロナの影響により⽣産活動や消費活動が変化しました。返礼品でティッシュが数多く申し込まれたのは、ティッシュ不⾜のメディア報道がきっかけでした。11位栃⽊県佐野市で⼈気の返礼品エルモアはティッシュの有名ブランドであり、⼤容量も評価を得たようです。
13位、14位はいずれも福岡県の⾹春町、鞍⼿町となりました。福岡県は共通返礼品を充実させており、⾟⼦明太⼦やもつ鍋など17品⽬の地域産品が対象になっています。そのため福岡県内のどの⾃治体での⽣産拠点があるかどうかに関わらず、返礼品にすることができます。その制度を上⼿に活⽤し寄付を⼤きく伸ばしました。
■21位から30位
22位の千葉県⼤網⽩⾥市は令和元年が1,200万円ほどでしたので、まさにホップステップジャンプで寄付を伸ばしています。寄付は1万円からという常識が平成にはありましたが今や1万円を割り込む寄付額で寄付者の数を増やしていく戦略です。戦略返礼品はお⽶であり、競争⼒があります。
30位⼭梨県昭和町は、単価が倍になっています。貴⾦属やジュエリーの製造販売でネットショッピングでも販売上位の会社の返礼品が⼈気になっているようです。ECで成果を出している会社が東京ではなく、地⽅に本社を構えていることも多くなっています。ネットショップを運営する企業は通常の企業より忙しい環境にあることが多く、ふるさと納税という新市場に⼿間をかけても参加したい気持ちになるような、丁寧な営業が重要になります。
■31位から40位
36位の北海道苫前町は道北に位置し、⼈⼝が約3,200⼈の⼩さな町です。⽔産資源のブランド化に取り組んでおり、またシンプルな写真とコンパクトに差別化ポイントをまとめた返礼品コメントなどが功を奏しています。
熊本県は返礼品の魅⼒があり、かつ⾒せ⽅も上⼿な⾃治体が多くあります。37位熊本県津奈⽊町は、返礼品数は少ないものの⽜⾁に集中しサムネイルや画像、ストーリーを強化した結果が出ています。
■41位から46位
泉佐野市はふるさと納税を代表する⾃治体です。令和2年度22億円から5倍以上伸ばして100億円を越えるという凄まじい実質伸び額です。返礼品の⾒せ⽅、こだわり、プロモーション、スピード、アイディア、柔軟性、組織構造、⼈事はマーケットインの考え⽅であり、従来の⾃治体の延⻑線上にはありません。⾃治体はこうあるべき論を壊して、結果を出してきた⾃治体です。そのため、その評価は様々ではありますが、ふるさと納税業界においては⾰命児とも⾔える⾃治体です。
今回の分析を通じて
当社の第⼀回⽬のニュースリリースは、テーマとして成⻑率を取り上げました。ふるさと納税も開始してから15年ほど経過し、寄付額の集まっている⾃治体と集まっていない⾃治体の格差が広がっています。そのような現状を解消することも当社のミッションの⼀つと考えています。⾃治体の外部環境や内部環境は1、2年で⼤きく変化することはありません。しかし、「地域産品基準を変更する」「お客様⽬線に⽴って返礼品がサイト上でどう⾒えているか考える」「少しでも早く返礼品が掲載できるようなルールに変更する」「⾃治体職員が熱⼼に事業者回りをする」「寄付の使い⽅も詳細に伝える」「受領書の発送やコールセンターの品質を向上させる」このような内部の⾏動を変えるだけでも⼤きな成果をあげてきたのが、今回のように⾼い伸び率となった⾃治体になります。
総務省が定めた法律の枠内での健全な競争により、市⺠町⺠村⺠の幸福につながる「ふるさと納税制度」であって欲しいと切に願うところです。
<ふるさと納税総合研究所につきまして>
ふるさと納税の健全な発展を⽬指すべく、⾃治体、関係企業と連携しながら、ふるさと納税の価値や有⽤性を発信し、また助⾔を⾏ってまいります。
社名:株式会社ふるさと納税総合研究所
本社所在地:⼤阪府⼤阪市
代表取締役:⻄⽥ 匡志(中⼩企業診断⼠、総合旅⾏業務取扱管理者)
事業内容: ふるさと納税市場における調査、研究、コンサルティング、ソリューション提供等
HP:https://fstx-ri.co.jp/
当プレスリリースURL
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000104918.html
株式会社ふるさと納税総合研究所のプレスリリース⼀覧
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/104918