記事紹介

2025.06.20

(毎日新聞)返礼品コメ、上限額超えか 岡山・総社市ふるさと納税

【要約】
岡山県総社市がふるさと納税の返礼品として贈っていたコメ60キロが、地方税法で定められた「寄付額の3割以下」という調達額の上限(6万円寄付に対して1万8千円)を実質的に超えていた疑いがある。市は調達を「そうじゃ地食べ公社」に委託し、表向きは1万8千円で支払ったが、実際には約2万5千円かかっていた。差額は公社が負担したとされるが、市は同年度に同公社への補助金を約1億円増額。これがコメの実質的な補填であれば、制度違反にあたる可能性があり、総務省が調査を進めている。

【コメント】
本件は、「間接的な補助金によるルール逃れ」と見なされかねない重大な事案です。表面上の調達額を適正範囲に抑えつつ、実質的に公社への補助金で差額を補填していたのであれば、制度の趣旨を逸脱しています。特に、「全く充てていないとは言い切れない」という担当者の発言は、総務省による厳格な判断を招く可能性が高いと言えます。

同様の手法が他自治体でも行われている可能性があるため、補助金と返礼品コストの会計処理の分離・明確化が今後求められるでしょう。今回の事案は、単なるコスト計算ミスではなく、制度の根幹に関わる透明性と信頼性が問われる事例であり、ふるさと納税制度における新たなガバナンス強化の契機となる可能性もあります。

https://mainichi.jp/articles/20250618/ddl/k33/040/140000c

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