【記事URL】
https://www.nishinippon.co.jp/item/1362657/
【要約】
佐賀県みやき町のふるさと納税に関する百条委員会は、元副町長が返礼品納入会社の代表取締役を兼務し、年間360万円の報酬を得ていたと中間報告。会社売上の9割が町との契約によるもので、公正性・適正性が損なわれたと指摘した。さらに、元町長が兼業を容認し、解職義務を果たさなかった責任にも言及。前町長は議会で説明済と反論し、法的措置も検討中。追加調査に必要な費用の増額案は否決され、委員会は費用をかけずに調査を継続する方針。
【コメント】
本件は、返礼品業務における自治体幹部の利益相反とガバナンス不全の典型例といえます。副町長が返礼品業者の経営者であり、実質的に町との随意契約で業務を独占していた構図は、地方自治法に基づく兼業禁止や職務執行の公正性原則に明確に抵触します。ふるさと納税制度の信頼性は、自治体の中立性と透明性に支えられており、こうした事例は制度全体への不信につながりかねません。
特筆すべきは、町議会での問題提起と調査が進む一方で、必要な調査予算が議会で否決された点です。ガバナンス改善には、調査体制や監視機能の強化も不可欠であり、議会自体の機能不全も危惧されます。
今後は、百条委の最終報告を注視するとともに、同様の構造的リスクを抱える自治体に対し、総務省が再発防止策の提示と制度監視の強化を進める必要があります。制度を支える関係者にとっても、利益相反リスクの排除や契約の透明性確保があらためて求められています。
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株式会社ふるさと納税総合研究所
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