【記事URL】
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/2341598
【要約】
政府は今後10年間の地方創生戦略の柱として、居住地以外の地域と継続的に関わる「関係人口」を「ふるさと住民」として登録する新制度を創設し、登録者1000万人を目指す。移住促進とは異なり、関係人口を明確化し地域との関係を深化させる狙い。制度では、観光リピーターやふるさと納税者がスマートフォンで登録申請し、自治体が証を発行。イベント情報や行政サービスを提供する。記事では制度の実効性を高めるには、交通費助成や体験型関係の深化、さらには分散型住民税納付制度の導入など、より踏み込んだ施策が必要と指摘している。
【コメント】
本制度は「ふるさと納税」に次ぐ地域参加型制度の拡張と捉えられますが、制度設計の要は**“一過性でない関係性の構築”**にあります。観光や寄附の文脈で築かれる「関係人口」の登録化は意義がある一方で、単なるファン登録にとどまれば、実効性は低く、地方の課題解決には直結しません。
高橋氏の提唱する**「住民税の分散納税」や「返礼品競争からの脱却」**といった構想は、既存のふるさと納税制度を深化させる観点から注目されるものです。特に、登録者数に応じた財政支援が自治体に付与される仕組みが確立されれば、ふるさと納税制度の経済的インセンティブと並ぶ新たな施策基盤となり得ます。
一方で、住民登録と納税の分離には法制度面の再整備が不可欠であり、課税の公平性をどう保つかという論点も今後の検討課題となるでしょう。制度の本質が「都市から地方への関わりの再構築」にあるならば、補助・税制・移動支援といった複合政策での後押しが必要不可欠です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
株式会社ふるさと納税総合研究所
当社はふるさと納税制度のシンクタンクです。総務省、自治体、関係企業と連携しふるさと納税の価値
や有用性を発信しています。また、総務省様、自治体様、関連企業様への助言やコンサルティング業務
を通じてふるさと納税の持続的で健全な発展を目指します。
業務や取材をご依頼の方はお問い合わせフォームからお願いいたします。
https://fstx-ri.co.jp/contact
代表取締役社長 西田 匡志 (中小企業診断士)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー