記事紹介

2025.06.24

(日本経済新聞)ふるさと納税返礼品、「地場産」基準厳しく 自治体ロゴのみ問題視

【記事URL】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA23BJA0T20C25A6000000/

【要約】
総務省は2025年6月24日、ふるさと納税の返礼品に関するルール改正を発表。
2026年10月から適用される新ルールでは、自治体のロゴを付けただけの製品について、返礼品とするには1年以内の販売・配布実績が必要となり、その数量を上限とする。

また、工業製品や加工品については、製品価値の過半が地元で生じた証明をメーカーに求め、一般販売価格の記載も義務付ける。
さらに、寄付者募集にかけた費用の透明化のため、100万円以上を支払った仲介業者や調達先の社名・金額の公表を自治体に義務付け、2026年9月に初回公表を予定。

このような改正は、行き過ぎた返礼品競争を抑制するため。
しかし専門家は、「頻繁な制度変更が自治体に負担を与え、制度の歪みを招く」「ルール強化だけでは限界があり、参加自治体や寄付額に上限を設けるべき」といった制度設計そのものへの見直しを提言している。

【コメント】
今回の改正は、自治体ロゴをつけただけの製品や、実質的に地場産品といえない返礼品への対策を強化したもので、ふるさと納税制度の本来の趣旨(地域経済の活性化)への回帰を促す狙いが明確です。

特に、価値の「過半」基準の明文化や価格の透明化、さらに支出先の個別開示は、寄付金の使途への信頼性を高める一歩となります。一方で、自治体の事務負担や事業者の対応コスト増加も懸念され、運用面の柔軟性や支援策が同時に求められる局面です。

また、規制強化の度に抜け道を巡る“いたちごっこ”が起きている実情は、制度そのものの設計限界を示しており、寄付額上限や参加要件など、より根本的な制度改革への議論が加速する可能性があります。

実務上は、地場産基準の適合証明方法、販売実績の確認方法、および支出先開示の基準作成など、細則の整備と自治体・事業者への丁寧な周知が不可欠です。今後の通達やQAの動向も注視が必要です。

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