記事紹介

2025.08.08

(Impress Watch)杉並区はなぜ「ふるさと納税」に反対しているのか?

【記事URL】
https://www.watch.impress.co.jp/docs/topic/2035685.html

【要約】
東京都杉並区は、ふるさと納税制度の根本的な構造問題に対して一貫して反対姿勢を貫いてきた自治体です。制度当初から返礼品競争が過熱し、「官製ネット通販」との批判もあるなか、同区は返礼品合戦には参加せず、健全な寄附文化の形成を目指しています。

杉並区では2024年度に約53.3億円の区民税が流出し、制度開始からの累計流出額は約260億円に達しています。地方交付税による補填がない不交付団体である杉並区にとっては、財政的打撃が大きく、今後の行政サービスへの影響も懸念されています。

ただし同区は、災害支援等での活用には理解を示しつつ、**「共感できる使い道に対する寄附」**を呼びかけています。現在は「荻外荘の復原」や「児童養護施設からの自立支援」などを返礼品なしで実施。また、障害者施設で作られた品などを活用した福祉型返礼品や、体験型返礼品の導入を進めており、2025年度以降はアニメや阿波おどりなど文化資源を活かした施策も検討中です。

【コメント】
杉並区の姿勢は、都市部自治体としての現実的な危機感と制度への構造的な問題提起の両面を含んだ貴重なアプローチです。地方交付税で補填されない不交付団体にとって、ふるさと納税による税収流出は直接的な損失となり、その影響は深刻です。

一方で、返礼品に頼らない寄附の促進や、地域の文化・福祉資源を活かした体験型返礼品への転換は、制度の本来の趣旨に近づこうとする模範的なモデルともいえます。

特に、アニメや芸術、福祉といった杉並区ならではの資源を活かした施策は、今後のふるさと納税の新たな方向性やロールモデルとして他自治体にも参考になりうるものです。制度への問題提起だけでなく、対案としての行動を伴っている点が、杉並区の取り組みの評価されるべき点でしょう。

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