【記事URL】
https://mainichi.jp/articles/20250618/ddl/k08/010/027000c
【要約】
つくばみらい市は、コメの保管・精米・配送を一体的に担う「米流通拠点」を整備し、2027年の開業を目指す。施設は福岡工業団地隣接地に建設され、精米能力は1日約10トン・年間2,400トン、最大保管量は960トン。運営は民間事業者が担い、市は建設や設備を整備し貸し出す形を取る。総事業費は約10億円で、うち土地代約6,800万円はふるさと納税や財政調整基金を活用。市産コメはふるさと納税返礼品として人気が高まっているが、供給体制が課題となっていたため、行政主導での設備整備により課題解決と流通促進を図る。
【コメント】
本件は、ふるさと納税需要を起点とした地域農産物インフラ整備の好事例といえます。特に以下の点で注目に値します。
返礼品需要を背景にした精米インフラ投資: 市産米の人気に供給が追いつかないという「需給ギャップ」に対し、自治体が先回りして精米・流通機能を整備する姿勢は、制度活用の高度化と言えます。
官民連携モデルの導入: 自治体が設備を整備・所有し、民間が運営するモデルは、財政負担を抑えつつ効率的な運用が期待される設計です。賃料による一般財源回収スキームも明示されており、財務面での透明性も担保されています。
ふるさと納税財源の活用: 土地代の一部にふるさと納税寄付金を充てる点は、寄付者への「見える投資」として評価されうる手法であり、応援消費的な納税者心理にもマッチしています。
今後は、返礼品供給の安定化に加え、直売所の観光資源化やBtoB販路の拡充による地域経済への波及も期待されます。成功すれば、他自治体への波及モデルとなる可能性がある取組です。
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株式会社ふるさと納税総合研究所
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